Leqtique MAR VPtP VS 歴代MAR 唸れ!必殺ヴァーチャルPtP!

f:id:handmadetown221b:20180417215433j:plain

後継者と先代の対決って燃えますよね。

タイトルは一昔前のアニメのタイトルコール風に読んでください。

 

つい先日復刻されたLeqtique MAR VPtPが届いたので、初代MAR、復刻盤MAR Quad Limtedのお二人と比較してみてみました。

 

 

▲オナジモノヲナンコモカウ。

 

 

MARの基本キャラクター

製作者のShun Nokinaさん曰く、回路はTS10そのものだそうです。

私はTS10どころかTSシリーズすらじっくり弾いた事がないのでどれくらいTSかは分かりませんが「あの音」感はひしひしと感じます。

TS10は後期のSRVやStray VatsのBrian setzerが使用していたそうですが、個人的にはStray CatsのYou don't believe meの音に非常に近いイメージです。

 

思ったよりはキラキラしていて、粗暴でない上品なTSって感じでしょうか。

TSっぽい中高域は感じますが、濁りの少ない感覚がしますね。

回路はTS10そのものという事なので、これはLeqtiqueお得意のハイファイなオーディオパーツ群の影響なのでしょうか?

 

いずれもTS系が好きなら2台くらい持っていて損はない良ペダルだと思います。

 

初期型?MAR 2011年製

f:id:handmadetown221b:20180417172402j:image

Leqtiqueが2010年にスタートしてから翌年の物です。

後の二台はこれを基準に比較していきます。

 f:id:handmadetown221b:20180417172521j:image

使用パーツは概ね他のMARと同じですが、この頃はまだ電解コンデンサーがOSコンではなくSANYO が使用されていますね。

これだけで音が変わるとは思えないのですが、ほぼ同じパーツを使用しているであろうMAR QLと比べると確かに味付けに違いを感じるので多分変わるんでしょう...。

こういったパーツの特性の違いを最大限に製品作りに利用しているのがレクティークの凄い所で、真似できない所だと思います。

多分個人で部品を集めてコピーしようとすると定価を超えると思います。

そんな部品群を安価なものでは済ませずに大量に仕入れて選別して製品に使っているので、相当な拘り様ですよね。

 

そしてそんな拘りに感化されてハイエンドな部品を使ってエフェクターを作るキッズも急増したことでしょう。

私です。

 

ちなみにこのMARなんですが、友人に売ってもらった翌日に復刻を示唆するお知らせが発表されました。タイミングよ...。

 

MAR Quad Limited

(色々書き込まれていて個人情報と化しているので、申し訳ないですが冒頭の画像ではぼかしを入れてあります。)

 

2014年に500台限定で復刻された「ゲインが数値上は4倍、聴覚的には2倍」バージョンです。

f:id:handmadetown221b:20180417172615j:image

部品的にはOSコンが使われているほか、灰色のコンデンサーがWIMAに変更されています。抵抗はどうなんだろう。多分同じっぽいです。

Leqtiqueはケースが初期のとそれ以降で製造が違うとか、基盤の製法が変わったとか、部品の種類が時期によって違うとか細かなマイナーチェンジが行われているらしいので、どの要素がそういった変化を及ぼしているのかはよく分かりません。

 

しかし音質には確かに違いを感じますね。

初代MARにはまさにエフェクター的な鋭さ?ピーク?が高音域に少し感じられたのですが、MAR QLではそれが少し弱まってより自然なタッチと少しの低域が備わっている気がします。

ゲインに関しては結構増えているのでこれが若干暑苦しい低域に感じられているのかも...?

当然ですがローゲインでの細やかな操作感は初代MARの方が優れていますね。

初代MARも全く歪まないという程ではありませんが、人によっては単体で十分な歪みが得られないかもしれないので、ゲインをお求めの方はこのQuad Limitedの方をおすすめします。

 

MARQLの方が1割ほど中古相場が高いのは、台数が少ないのとゲインの面でのニーズがあるからでしょうか。

 

MAR VPtP

f:id:handmadetown221b:20180417172658j:image

Shun Nokinaさんのエフェクターキャリア10周年という事で今回復刻された物。

おめでとうございます。

 

Quad LimitedはShun Nokinaさんの手持ちのストックをかき集めて制作された様ですが、こちらは基盤にマウントしたものの使用されなかったものを集めて作ったんだとか。

台数は明言されていませんが、そんなに数は作れていないんじゃないでしょうか...。

 f:id:handmadetown221b:20180417172642j:image

他のMARとは目に見えて違うのが、この黒いVPtP基盤。

VPtPとはVirtual Point to Pointの略だそうで、通常では基盤の片面に回路のパターンを薄く印刷する所を、より厚く両面に塗ることで、実質的にパーツの足で配線している状態を再現しているとのこと。

たしかに複雑な回路においては信号の通り道は基盤外の線を通るより長くなるでしょうから、プリント基板による実質細い線での配線よりは信号のロスが少なそうです。

 

その他の部品に関しても「ベストオブMAR」な物が使用されているらしく、まさに今のレクティーク最高の一品ですね。

 

そしてサウンドなんですが、正直感動しました!

歴代MARの中で最もリアルな質感がします。

弾いた感触がアンプ直に近いというか、エフェクター臭くないというか。

そして低域を始め全体的に解像度の高さと立体感があります。

オーバードライブとしても、ブースターとしても間違いなく極上です。

 

これは恐らくVPtPの賜物ですね!確か太い配線材ほど低音をよく通すそうなので、プリント基盤では失われていた低域がVPtPによって取り戻されているのではないかと推測します。

他のヴァーチャルでないPtPで配線された製品が評価されているのも頷けます。

較的量産を行っているレクティークの製品に、本来であれば非常に手間のかかるPtPの利点を無理なく取り込んだ努力とブランドへの愛情は計り知れませんね。

他のレクティーク製品もほぼVPtPに順次移行している様なので、以前微妙にあと一歩足りなくて購入に至らなかった他のモデルも改めてチェックしてみたいですね。

 

歴代MARとは良くも悪くも好みが出るかもしれません。初代MARより音質的に優れていると断言したいところですが、TSっぽい古めかしさというか、エフェクターらしさにおいては初代MARの方に軍配が上がるとも感じました。

ただ、ブースターとしての役割においてはVPtPの圧勝かもしれません。

 

 

塗装は以前の物より強くなっている感じがします。

そしてこのケース...

 

なんだか前より荒い仕上がりに見えます。

これはこれでトップがマットでクールな印象になってかっこいいけど、価格変更の際にケースの素材が変わったのかな?とか思いましたが

 

角が以前の物と同じなので以前と同じツヤツヤなケースを後から加工している様ですね。

前のケースの方が底面がキラキラで好きだったのですが、恐ろしくらい汚れやすいので使う上ではこっちの方が良いかもしれませんしね。

なんとなく塗装のノリも良さそうですし。

 

ざっくり早見表

初代→完全にTSであの音感

QL→ゲインアップ、若干モダンっぽい

VPtP→初代とQLの延長線上にあってクリアでセンシティブ

 

順番に弾いてみるとまさにMARの進化の歴史という感じで非常に興味深かったですね。

どれも同様のサウンドキャラクターを持っていて、個人的にはVPtPが一番幅広く受け入れられるキャラクターだと思っています。

 

MARを持っていない方はもちろん、もう持っている方も一台は手に入れて頂きたいペダルです。