ワーモスのネックオーダーを画像付きで解説。後編

後編です。

さらっと終わるかと思ったら、前編より断然長くなってしまいました。

でも見た目に関する項目が殆どなので、スパッと決めちゃいましょう!

 

 

ネックプロファイル

意外と気にしていないようで無意識では物凄く気になるのがネックシェイプ。

少なくとも私はギターを選ぶ際にネックシェイプは気にしていません。

 

しかし、ここも折角指定出来るんですからできる限り自分に合った仕様を選びたいところです。

VでもUでも何でもいいという方は、演奏ジャンルやプレイスタイルに合わせるのが無難ではないかと。

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私は元々レスポールユーザーで太めのネックが好きなので59を選択しました。

59 Roundback以降はカスタム仕様で35ドルのアップチャージがかかります。

 

Standard Thin(.800"-.850")

近年のフェンダーストラト、テレに近いシェイプ。

最も人気があり、最も多くのプレイヤーにとって快適だろう。

 

まあ迷ったらこれを選んでおけば問題ないんじゃないでしょうか。

近年のギターは大体こんな感じだと思います。(適当)

 

...あ、括弧の中は1フレットから12フレットまでの厚みを表していますが、少なくとも日本ではこういう表記を見かけない上にインチ表記なのであまり気にしなくていいです。

その為かWarmothではそれぞれ何に似ているか、何を意識しているかを明確に示してくれているので文章を参考にしつつ実際に元となったモデルを弾いてみるといいでしょう。

 

FATBACK(1.00"-1.00")

ヴィンテージのテレキャスターの様な、深いUシェイプの極太ネック。

私たちの作るネックの中で最大の厚さと半円に近いシェイプを持つ。

ヴィンテージの太い感じを愛してやまないプレイヤーにおすすめ。

 

所謂丸太ネック。ネックはある程度の太さがあった方が安定した演奏感を得られますが、あまり太いと物理的に指が届かず演奏に支障をきたす事があります。

ネックは太い方が音の芯も太くなるイメージですが、FATBACKを選ぶときは手の大きさや演奏スタイルをよく考慮しましょう。

 

レギュラーラインのフェンダーテレキャスターは勿論、国産メーカーや比較的太いネックを採用していた一昔前のフェンダージャパンでもここまで太いネックはあまり採用されていないという事実から、やはり万人受けするネックシェイプでない事は確かなようです。

リッチーコッツェンのテレキャスターが極太ネックだからと言って、安易に自分もと真似したりはしない様に。死にます。

 

Boatneck(1.00"-1.00")

52年リイシューのテレキャスターによく似たシェイプ。

厚みはFATBACKと同じだが、両端が少しだけ小さい。(薄い?)

その結果、同じ厚みでもよりスムースなフィンガリングが可能だ。

 

FATBACKの改良版?ですね。

頂点の高さは同じですがVシェイプのネックの様に少し急なカーブになっていて、手を回しこみやすくなっています。

太いネックがお好みでしたらこちらを選んでおくのが大体の人にとってベターかと。

 

これは私の憶測にすぎませんが、わざわざリイシュー物に近いと書いてあるあたり、今のヴィンテージ再現品もネックシェイプばかりは改良が施されているのでしょうか。

ヴィンテージマニアも不便だと思うほど初期のテレキャスターのネックは太かった?

 

59 Roundback(.860"-.960")

初期のレスポールを再現したネック。

私達のラインナップの中では最もPRSのネックシェイプに近い。

 

レスポール仕様。ギブソンのネックに慣れた方、PRSのネックに慣れた方はこのシェイプでいいのではないでしょうか。

厚さ的にはStandard ThinとFATBACKの間と言った所ですね。

12フレットの時点で大体FATBACKより少し細い程度になるので、これも結構人を選ぶシェイプだと思います。

 

Clapton(.850"-.940")

初期のエリッククラプトンモデルのネックシェイプを再現したプロファイリング。

ソフトVのシェイプは彼によって広められた。

 

説明が雑になってきてないですか?

レスポールよりはちょっと薄い様ですが、FATBACKに対するBoatNeckの様に頂点から指板再度にかけての角度が急になっているので体感的にはもう少し細く感じられると思います。

ハードVとは違い、ソフトVのネックは意外とVさが感じられなく想像よりずっと自然な弾き心地です。

意外と好きな方も多いので、一度試してみる価値は大いにあると思います。

 

SRV(.835"-970")

初期のレイヴォーンモデルを再現したシェイプ。

非対称ネックは彼によって広められた。

親指側は丸く、その反対側は傾斜がきつくなっており、手にネックが完全にフィットする事によりフィンガリングが容易になる。

The Wolfgangに比べると少し厚く、それ程極端な非対称ではない。

 

非対称ネックの太い方。

非対称ネックは作るのが若干手間なのと、設計次第では逆に弾きにくくなってしまう事からよく見かけるネックシェイプではないのですが、実際に弾いてみるとあまりの弾きやすさに驚くこと間違いなしです。

弾きやすい、と言うよりは持ちやすいと言った方がより正確な表現かもしれません。

とにかく握りが安定するので運指のストレスがかなり軽減されるんですよね~。

これも一度は試しておくべき仕様ですよ!

 

Wizard(.750"-.820")

IbanezのWizard IIネックをコピーしたもの。

とにかく薄い。

薄くフラットなネックは80年代から今日にいたるまで人気があり、快適でスピーディーなう運指感を提供する。

 

Thin(薄い)と称されるStandard Thinよりも更に薄いシェイプ。

どれぐらい薄いかと言うと、1フレットでの厚みがStandard Thinより6%も薄い。

その差はStandard Thinと59 Roundbackの差とほとんど同じと言った方が伝わりやすいでしょうか。

 

Ibanez等の極薄ネックを好む方におすすめですが、薄いネック全般の弱点として非常に反り易いという点に注意です。

Ibanezではダブルアクショントラスロッドの採用とネックを5ピース構造にする事によって強度を稼いでいますが、ワーモスに5ピースネックのオプションはありません。

特に日本では一年を通して天候の大きく変わりますので、Ibanez同様にダブルアクショントラスロッドを使用できるModernを選択し、ネック材はクォーターソーンメイプルやローステッド材等の安定したものを、指板材もエボニー等極力硬質な物を選択し極力ネックの安定度を高める様意識すべきでしょう。

塗装も必須ですね。

 

WolfBang(.815"-.940")

PeaveyのWolfBangを基にした非対称ネック。

エディーヴァンヘイレンもまた、非対称ネックの普及に大いに貢献した人物である。

素早いプレイに向いている。

(あとは大体SRVと同じ解説)

 

SRVをより極端にした速弾き向けのプロファイルの様ですね。

私もずいぶんPeaveyのWolfBangを触った事があるのですが、初めは違和感バリバリでしたが弾きやすい事は弾きやすかったです。

しかしどうもソロプレイを弾きたくなるシェイプで、握りこんでカッティングやクリーンのしっとりしたアルペジオを弾くとムズムズして来ます。

 

ところで0.005インチって大体1ミリくらいなんですが、そこまで細かく削り分けているってすごくないですか?

これ程細かい仕様を各オーダーごとに作り分けるって相当面倒だと思うのですが、これがスペック次第では3万程で買えてしまうという...。

ワーモスすごい。

 

フレットボードラディアス

これは指板Rの事ですね。

Radiusという単位は、その直径の円の外周を切り取った形の事を指し、例えばギブソンの10"であれば直径10インチの円の外周と同じカーブという事になります。

Straight Radiusは指板の端から端まで同じR、Compound(混ざった) Radiusは1フレットから最終フレットにかけて緩やかにRが変わっていく仕様となっています。

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主な代表機種の指板Rは以下の通り。

・Vintage Fender: 7-1/4"
・Modern Fender: 9-1/2"
・PRS, Gibson: 10"
Ibanez: 12"
・Jackson: 16"
・Floyd Rose locking nut: 10"
・LSR Roller nut: 9-1/2" - 10"

大体平らな程ソロに向いています。

 

Straight Radius

小さいRの指板はコードプレイに最適ですが、ハイフレットでのチョーキング時に弦落ちが発生することがあります。

大きいRの指板は少ない力で綺麗にチョーキングを鳴らせますが、コードプレイ時に弾きにくさを感じます。

コードとリード、それぞれを快適に弾くための妥協案としては10"と12"がおすすめです。

私たちのラディアス加工のマシンは9"から16"まで0.5"刻みで設定が可能です。

もしあなたがヴィンテージ同様の7-1/4"をお求めでしたらVintage仕様のネックにて提供する事ができます。

 

Compound Radius

「折衷案」を選ぶよりももっとベストなアプローチがあります。

それはローフレットでは小さなラディアスを施し、ハイフレットになるにつれて滑らかにフラットな指板にしていく事です。

このユニークな円錐型のラディアスは、コードを弾く範囲では最大限の快適さを、そして素晴らしくクリーンで素早いチョーキングを可能にします。

ワーモスのコンパウンドラディアス指板は非常に人気なので、私たちはすべてのネックに採用することにしました...研究の末、私たちがベストだと判断したのは10"-16"。

これで完璧なコードワークとローアクションな弾き心地、そしてフロイドローズやローラーナットへの互換性を実現する事ができました。

このネックのラディアスの変化は意識して認識できる程の物ではありませんが、演奏すればその違いがすぐに判る筈です。

 

友人のFender American DeluxeのストラトがこのCompound Radiusで凄く弾きやすかった覚えがあります。アップチャージも無いですしこれがベターでしょう。

 

Number of Flet

お疲れ様です。残りの項目はいくつもありますが、普段意識していなく悩ましい項目はこれにて終了となりました!

あとは最初に思い描いたイメージ通りに選んでいくだけです。

 

フレットの数は21、22、24から選べますが、24フレットはModern仕様のみで25ドルのアップチャージが必要です。

逆にVintageでは21フレットしか選べません。

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個人的に22を選べるのに21を選ぶ利点が無いと思うんですが、なんとなくヴィンテージと同じ21フレットにしたくなってしまいます。ヴィンテージの存在は罪深いです。

 

SCALOPPING

深さ3mmのスキャロップ加工の有無を選択できます。

これもModernのみで、12フレット以降のみの加工のハーフスキャロップが90ドル、全てのフレットに加工を施すフルスキャロップが110ドルです。

加工可能なのは22フレットのみで、フレットの種類も6100、SS6100、SS6115、GD6100以外では不可、その他ムスタングや7弦等の特殊ネックでも不可、そしてなぜかローステッドメイプルネックでも不可との事。

結構不便です。(Vai風のネックが作れない!)

インレイはクリームかブラックのドットインレイのみ。

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 スキャロップ加工の利点は以下の通り。

・より早く弾ける

・スムースなチョーキングが可能

・フィンガリングのストレスを軽減

・クリーンでクリーンな音

・タッピングも反応が良い

・スウィープアルペジオもお手の物

・プルもトリルももっと早く

 

イメージ通り、速弾き向けなオプションですね。(ちょっと欲しくなってきた)

 

バインディング

バインディングの有無を選択します。

これもModern仕様のみで、24フレットには適用できない模様。

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いずれのカラーも110ドルだそうです。

 

フレット

これも結構ややこしいですが、普段から意識しやすい部分ですのでそれほど悩む所は無いと思います。

ステンレスフレットが65ドル、ゴールドフレットが75ドルの他、無料でフレットレスやフレット溝のみも選択できます。

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ステンレスが20ドルで選択できるのが嬉しいですね。

Standard Nickel/Silver Fret Wire

我々の標準のフレットです。

18%のニッケルシルバーを含んだこのフレットはスティール弦と共に長くお使いになれます。

・6230...Fender系で最も小さいフレット。

・6130...Gibson系で低く幅広なフレット。通称ミディアムジャンボ。

・6105...狭く高いフレット。最も人気。

・6150...最近のfender系のフレット。幅広で高いジャンボサイズ。

・6100...Ibanezで使われている様な超でかいフレット。スキャロップ感がある。

Ibanezってそんなに大きかったっけ?)

 

まあ6105が安定なのでは。

 

Stainless Steel Fret Wire

我々のプレミアムなフレットワイヤーです。

ステンレスシルバーはより硬く滑らかな弾き心地で、立ち上がりの早いグラッシーな音色が得られる。

ドイツのジェスカー製でその硬度は最大級!長寿命でラウンドワウンド弦にもおすすめだ。

・SS6230...小さめのFenderサイズ。

・SS6105...狭く高い、人気のサイズ。

・SS6150...最近のフェンダーに使われている様なジャンボサイズ

・SS6115...頂点の鋭い、ジャンボサイズ。ワーモス独自の物。

・SS6100...大きくスキャロップ間のあるサイズ。Ibanez系。

 

Gold Color Fret Wire

この美しいゴールドフレットはニッケルを含んでおらず、12kゴールドに似た色合いの銅の合金を使用しています。

このJescar EVOフレットはステンレスの様に硬質で、ステンレスの80%程の硬度があるため弦によって擦り切れたり濁ったりすることが無い。

 

金色なので柔らかそうなイメージがありましたが、むしろ逆だった様です。

数値(VH、ビッカース硬度)を出すと通常のニッケルが170、ステンレスが300(±20)、そしてこのJescer EVOが250(±20)となっている様ですね。

同じようにステンレスの利点を持った少し柔らかめのフレットであるFreedom製のSpeedyモデルが210VHなので音質的にはフリーダムとJescerステンレス

の間くらいですね。

これは見た目以外にも音質的な狙いで選択肢に入れてもいいと思います。

 

それとこのGold Fretの項目の最後には注釈があって、どうも大事な話の様なので原文を載せておきます。

"NOTE: Our gold fret wire is EVO hypo-allergenic, for those with allergies to nickel."

医学的な話っぽいので正確な訳をする事は避けておきますが、どうやらEvoはニッケルにアレルギーのある人でも使えるっぽいです。

(hypo allergenic=アレルゲンを除外)

これ以上は触れませんが、金属アレルギーにお悩みのギタリストの方は一度詳しくお調べになってみてはいかがでしょうか。

 

TUNER HOLE SIZE

5種類から選べるほか、別料金で他の規格に合うように開けてくれるそうです。

・Gotoh/Grover

・Planet Waves

・Schaller

・Sperzel

・Vintage Style

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INLAY

楽しい悩みどころ、インレイです。

スタンダードなドットタイプからダイヤモンド型、星形と様々なタイプが選べます。

インレイの形や素材によっては追加料金がかかります。

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Moon Growはいわゆる蓄光素材。暗闇で緑に光るようです。

サイドドットには使えない模様。

 

?マークを押すとシミュレーターが使えるのでイメージを確認しておきましょう。

 

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STRING NUT

以下の種類から選べます。

・Corian(人工大理石)

・Graphtech(カーボン)

・フロイドローズ

・LSRローラーナット

 ・12弦用のCorianもしくはGraphtech

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CorianとGraphtechはCNCによってほぼ完ぺきに仕上げられているそうですが、ストレート指板のみEARVANAというバズフェイトンに似たナットも選択可だそうです。

市販品よりは作っている所にお願いした方が制度は良さそうなので、基本的にはアリにしておいた方が無難。

 

フロイドローズのナットRは10"でSchaller社の物のみ使用可能で、指板Rも9"-12"に限るとの事。弾き心地的にはストレートの10"が設計上最適でしょう。

ローラーナットは1-11/16"の指板幅かつ9"-11"のストレートネックにのみ対応。

 

その他、自作用の素材も販売している様です。

 

MOUNTING HOLE

ボディに取り付ける際の穴の選択です。

通常の4点留めもしくはmodern/Vintageでのみ70年代の様な3点留めが選択可能。

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4点留めでは追加料金がかからないので、特に厳密にネックポケットを調整したりするつもりでなければ4点留めを選んでおくのが無難かと。

 

FINISH

ようやく最後の工程です...。

ローステッドメイプルの様に高い安定性を持つもの以外のネックは必ず塗装することを推奨しています。

無塗装のままにするのは当然、オイルフィニッシュもおすすめはしません。

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ワーモスで塗装した場合の補償は2年、その他で塗装した場合は1年の保証が付きます。

・Clear Gloss...大体これ、めっちゃ輝いてる。

・Vintage Tint...経年変化を再現するため、ちょっと飴色になっている。

・Satin Finish...艶も輝きもない。しかし早く仕上げられるし、さらさらしている。

 

同時に注文する場合に限り、ボディとネックのカラーを合わせる事も可能。

ただし木材の色味によって完全に一致しない場合があるので注意です。

 

塗装に関しては指板がメイプルかその他か、またカラーや仕上げによって値段が変動しますが非メイプル指板のClear Satin Ntroだと80ドルで済ませる事ができます。

 

以上!見積価格は?

欲しい機能を全部盛り込んで616ドルでした。7万円行かないくらいですね。

実際に注文するなら流石にインレイは普通の物にしますが、それでも結構いいお値段。

これが安いと思うか高いと思うかは書いて次第ですね。

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この後はADD TO CARTを押してカートに入れた後、多分メールでやり取りがあってPaypalを使いクレジットカードで支払いと言う形になると思いますが、今回はそこまでいかないのでまた次の機会にでも...。

 

以上、ワーモスのネックオーダー解説でした!